モラハラしてくる相手に依存する原因はなんでしょうか?モラハラをする人からは離れればいいと単純に考えてしまう人が多いですが、実はモラハラをしてくる相手から離れられずにむしろ依存しているような関係性が形成されている場合もあります。このような状態がなぜ起きるのかについて解説したいと思います。

モラハラを行う相手に依存する原因は、心理的、感情的、そして時には社会的な要因が複雑に絡み合っています。このような依存は、被害者が加害者との関係を断ち切ることが困難になる一因ともなり得ます。以下に、その原因をいくつか挙げてみましょう。

被害者なのに加害者に対して愛着が発展する

モラハラを受ける人々は、しばしば加害者に対して強い感情的な絆を感じています。これは「トラウマ・ボンディング」とも呼ばれ、被害者が加害者に対して不健全な愛着を発展させる現象です。加害者が時折見せる優しさや愛情の瞬間が、被害者に希望を抱かせ、より良い関係への望みを持たせることがあります。

自己価値の低下で他に自分に向き合ってくれる人がいないと錯覚する

モラハラによって、被害者の自尊心や自己価値感が徐々に低下します。加害者からの否定的なメッセージが繰り返されることで、被害者は自分自身を価値のない存在とみなし、加害者なしで生きていく自信を失うことがあります。

経済的・社会的依存

経済的な理由や社会的な立場、子どもがいる場合の親権の問題など、モラハラを受ける人が加害者から離れられない理由は多岐にわたります。これらの要因が組み合わさることで、被害者は加害者に依存し続けることを余儀なくされます。

分離不安と自分一人では生きていけないと思い込まされた恐怖

加害者からの離脱を試みると、被害者はしばしば強い不安や恐怖を感じます。これは、加害者によって植え付けられた「自分一人では生きていけない」という信念や、加害者からの報復を恐れるためです。

情報の隔離と操作

モラハラを行う人は、被害者の情報源を制限し、自分に都合の良い情報のみを提供することで、被害者の現実感を歪めます。これにより、モラハラ被害者は外部の支援や情報に接することが難しくなり、加害者への依存が深まります。

希望と否認

被害者はしばしば、加害者が変わることを望み、モラハラの事実を否認または最小化します。この希望は、加害者に対する依存をさらに強化することがあります。

まとめ

モラハラと依存の関係は、しばしばセットで現れるものです。このような状況では、両者が共依存の関係に陥っていることが多く、モラハラの行動はその依存関係から生じることがあります。双方が実際には互いを好きではなく、場合によっては嫌悪感を持ちながらも、孤独を恐れて別れることができない状態にあります。相談できる他の人がいない、頼れる支援が見つからないことも、この依存を深める一因となり得ます。

この共依存の背景には、二人の関係だけでなく、その人たちのこれまでの生き方や親子関係など、さまざまな要因が影響しています。根本的な問題は、自立していないことにあります。自立することなくして、真の幸せを得ることは難しいでしょう。そのため、「別れて幸せになる」ことを考える際には、自立を目指すことが重要です。

この依存とモラハラのサイクルを断ち切るためには、外部からの専門的な支援を求めることが不可欠です。自分自身の価値を再認識し、自立への道を歩み始めることで、健全な関係を築く第一歩を踏み出すことができます。

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